9月22日、建交労傘下の建交労小竹運輸グループ支部は建交労を脱退し、「小竹運輸グループ労働組合」を結成しました。当日、発表された「脱退声明」を掲載します。
小竹運輸グループ支部 建交労脱退についての声明
本日、わたしたち組合員一同は、小竹運輸グループ内での組合運動を継続するためには、このまま建交労に所属することはできないとの判断から、組織規約にもとづき脱退することにしました。
この声明は、これまで小竹運輸グループ支部にかかわっていただいた方々と、これから私たちにかかわっていただく方々にむけて、脱退にいたった事情を説明するためのものです。
わたしたちは小竹運輸グループ(小竹運輸、K-ロジテック、つくばトランスポート、トランスーコ)において長年つづけられてきた小竹正雄による独裁的労働者支配と違法行為をなくそうとのおもいから労働組合を結成しました。2011年暮れに建交労に組織加入したときには、「これからは会社と正面から交渉して職場を良くできる」と組合員みんなが希望を持っていました。
しかし、その希望はほどなく壊されました。
まず、建交労茨城県本部の専従が、わたしたちの支部員名簿を会社の求めに応じてファクスで送ってしまいました。会社はこの名簿をもとに猛烈な組合員切り崩しをかけました。職場での組合への信頼は急落し、スタート直後から小竹運輸グループ内での組合運動は困難につきあたったのです。
さらに、建交労への組織加入の先頭にたっていた竹内書記長(当時)が、自分の不注意で起こした事故について、会社と示談するために、組合員との組織的相談なしに会社と折り合いをつけて退職してしまいました。県本部もこれを認めてしまいました。わたしたちはさらに困難ななかで少しずつ組合員を拡大しました。
決定的だったのは2012年11月30日に今井さんが会社構内で過労死したことです。
この過労死の責任者である小竹正雄は「こんなところで死にやがって」とはき捨てるように言い、過労死への反省も遺族への謝罪もありませんでした。今井さんがなくなった事故現場には花が飾られることもなく、労働基準監督署への届出は2ヶ月近く遅れました。わたしたちは「今井さんは組合員ではなかったが、同じ職場の仲間だ。それが過労死してしまった。明日は自分だ。」との思いから、この問題に取り組むことを決めました。
しかし、県本部と中央本部の対応はきわめて鈍く、結局わたしたちはほとんど支部単独の力で労働基準監督署への申請準備をするしかなかったのです。特に、今井さんと同じ部署にいた高山組合員が過労死問題で会社を追及しはじめたとき、小竹正雄は高山さんに不当ないいがかりをつけ、1週間の出勤停止という重い懲戒処分を行い会社からの追い出しを狙いました。これにたいして、わたしたちは県本部と中央本部の応援がないなか、手探りで出勤闘争を行いました。今年5月には、処分をのりこえて、労働基準監督署から過労死認定をかちとり残されたご家族への支給を実現しました。ここから流れが変わりました。
いま、小竹正雄は追い詰められています。今井さんの家族からの損害賠償裁判をはじめ、組合から不当労働行為をやめさせるための労働委員会や仮処分提訴がたたかわれています。9月13日には渡邊組合員への出向命令を無効とする裁判所の決定が降りました。
ここにいたって小竹正雄は小竹運輸に200台以上あったトレーラーをK-ロジテック、つくばトランスポートに移し、小竹運輸には22台の車両を残し、組合員を差別した不当な配車を今も続けています。車両の大規模な移動は、過労死損害賠償から小竹正雄の財産を逃がすためのものであることはまちがいありません。
いま、わたしたち組合員は配車差別をされたうえに「1日5400円」という生活できない賃金を会社から強制されています。組合結成前に45万から50万あった賃金はこの8月にはついに20万を下回りました。8月は会社からいくらか未払い賃金の払い戻しがあったのでなんとかなりましたが、この9月には未払い賃金の払い込みの見込みはなく、特に家族をかかえる組合員にとっては生活が崩壊する危機が迫っています。
そこでわたしたちは何度も会議を持ちました。「おれたちはたしかに苦しい。しかし、会社はもっと苦しい。会社にやられっぱなしだったときから比べればかなりいいところまでいっている。ここをのりきれば会社との力関係を大きく変える展望はある。」との認識で一致し、建交労から当座の生活資金の不足分を借りて、時間をつくって支援の陣形を広げようという結論になりました。
しかし、建交労県本部と中央本部の反応は「そんなことはできない、そんな資金はない」と冷たいものでした。わたしたちは「このままでは支部がなくなってしまう、それでもいいんですか?」と訴えましたが、結論は変わりませんでした。
わたしたちは建交労に失望しました。建交労にはブラック企業とたたかい会社から攻撃され生活できなくなりかかっている組合員に貸す金も知恵もないということがわかりました。「もうこれからは建交労には頼れないな。」組合員全員が骨身にしみて理解し、今回の脱退となりました。
以上が今回の脱退にいたる主な経緯です。単独の労組として独立するのは不安もありますが、それでも大きな組織の中で絶望し続けるよりは展望があります。建交労から脱退するのは労働運動から離れるためではありません。わたしたちはこれからも職場で組合員の団結を強め、組織を拡大し、労働運動を強化します。
わたしたちは、あらゆる団体と個人のみなさんに呼びかけます。小竹運輸グループ会社とたたかうわたしたちへの応援と支援をお願いします。一緒に、ブラック企業・小竹グループ会社を追い詰めましょう。
2013年9月22日 建交労小竹運輸グループ支部 支部組合員 一同