2011/03/06

ゆうメイト雇い止め無効の完全勝利判決

広島高裁岡山支部

雇い止め解雇は無効

継続雇用の地位確認 損失賃金の全額支払い命令

「自由裁量」で雇い止めはできない
「解雇権濫用」であり違法と確認

岡山のゆうメイトの仲間が自分に対する首切り攻撃と徹底的に闘い、ついに2月17日広島高裁岡山支部で、雇い止め解雇は違法であり無効であるとする、完全勝利の判決をかちとりました。今、郵政が進めている非常勤労働者の雇い止め解雇をはじめとする大リストラは、完全に違法不当であることが、裁判でも確認されたのです。正規・非正規とわず多くの郵政労働者が傍聴席を埋めて裁判闘争を闘うなど、現場からの総反乱の力がかちとった勝利です。この画期的な、しかし、あまりにも当然な判決を武器に、郵政大リストラをはね返すときがやってきました。
判決では、期間雇用職員が正社員と同じように働き、職場で同等の役割を果たしていることを認定しています。そのゆうメイトたちの労働契約の更新を、一方的に打ち切ることはできないとしています。会社は「自由裁量」で雇い止めはできない、それは「解雇権の濫用」であり違法・無効であると、はっきりと認定しています。
当然です。あたりまえじゃないか! 今、郵便会社が「赤字」を理由に、大量の非常勤を雇い止めしようとしています。それは完全に違法不当であることが裁判でも、はっきりしたのです。「雇い止めするぞ」と脅して、自分から退職することを強要したり、労働時間短縮や配転=賃下げを強要したりすることも完全に違法行為です。
そんな卑劣な攻撃には、この広島高裁判決を叩きつけてやりましょう。「お前らのやっていることは違法であり無効である」と突きつけてやろう。

反撃のネットワークつくろう
私たちに連絡してください!

今こそ郵政大リストラに総反撃する絶好機がやってきました。正規・非正規とわず労働者が団結し、反撃のネットワークをつくり出すときです。闘わない労働組合を現場労働者の怒りで、一からつくり直すときです。
あなたの職場の情報を知らせてください。会社からどんな攻撃を受けているか、それに対し組合はどうしているのか、知らせてください。
私たち労組交流センターに連絡してください。あなたの職場にいる全逓労働者部会の会員に声をかけてください。職場に会員がいなくても私たちの事務所に連絡をください。労組交流センターや共闘する地域の合同労組などに、電話・FAX・メールしてください。
職場の同僚と情報交換や話し合いを持ちましょう。そして自分たちの要求を職場の組合に申し入れ、「組合員の雇用と労働条件を守るのが労働組合の第一の仕事」「組合員じゃない人もふくめて労働者の雇用と賃金を守るのが労働組合だ」と迫りましょう。組合に入って組合費を払っている非常勤にとって当然の権利です。組合に入っていない人は組合に入ろう。
ある分会では、組合員になっているゆうメイトの名簿を支店にしめし「この人たちはうちの組合員だから雇い止めするな」と申し入れしています。
こうした反撃を全国一斉に開始するネットワークを広げ、あなたも一緒に立ち上がろう!

鍋倉社長らに通告する

鍋倉社長、すべての支社長、支店長、そしてすべての管理職に通告する。違法な雇い止め攻撃を、ただちにやめろ。お前たちがやっていることは違法であることが法的に確認されたのである。辞めるべきは、お前たちの方だ。
これは高裁判決だから、仮に最高裁に上告しても「憲法違反」などの上告理由となるものはないから、ただちに棄却され判決が確定することは、十分わかっていはずだ。郵便事業会社の違法性は、すでに確定しているのだ。責任を取って郵政から消えていなくなれ。
とりわけ現場の管理職に通告する。会社の手先となって違法行為に手を染めるのは、すぐにやめろ。いつでも責任を押し付けられ、上のかわりに責任を取らされるのが自分たちであることは、自分が一番よくわかっているはずだ。
これ以上違法行為をやったら、首になるのは、お前たちである。

  1. 退職強要をただちにやめよ。
  2. 雇い止めの脅しで、労働条件の変更=賃下げや配転を強制するな。
  3. 3月末をもってする大量雇い止めを中止せよ。

広島高裁岡山支部判決は、「主文」で「雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する」「平成20年4月1日から本判決確定の日まで、1か月につき26万3832円を、当該月の翌月24日限り支払え」とし、継続雇用を命じ、雇い止めによって失った賃金すべて支払うことを命じています。さらに「訴訟費用は、被控訴人(郵便会社)の負担とする」「この判決は、仮に執行することができる」として、すべての責任は会社にあり、すぐに支払うことを命じ、悪あがきの上告したらその分も支払い続けることを命じています。
さらに「事実及び理由」「争点」では、「期間雇用社員の業務は、配達する郵便物の量や配達区域において、正社員の業務の補完的なものではなく…正社員とほぼ同一内容であり、外務業務では期間雇用社員が半数以上を占める。期間雇用社員の契約更新は…更新を望めばほぼ確実に更新されている」と認定しています。
また「本件雇止めが有効であるというためには、これに相応の合理性、社会的相当性が求められ、これらは厳重に検討されるべきである」と指摘し、「控訴人は配達業務に熱心に従事していた」と認めています。
会社側が雇い止めの理由とした仕事中の交通事故については、「正社員及び期間雇用社員を通じ、業務上交通事故を起こしても、物損事故程度であれば、繰り返し起こした者も含め、処分を受けることはない」「岡山支店において、交通事故を起こし、運転適性がないという理由で雇止めをされたり、解雇された例はない」と指摘。さらに「平成20年ころの被控訴人(郵便会社)全体の交通事故発生件数は年間1万件を超えており、台比当たりの事故件数は大手運送事業者の3倍以上である」と指摘しています。岡山支店支店長の岡山労働局長あて「安全衛生改善報告書」をあげ、「同支店職員による交通事故の分析結果として、配達行為を伴わず一般的な運転動作と何ら変わらないのに、最初の配達・集配先への移動中や帰店途中の事故発生も多く、管理者が運転者毎の配達区までの経路が、最も安全で最短であることの把握や、経路中の危険箇所等に対する運行指示を行っていない」「事故の背後要因として、出発時の支店内作業の遅れや配達の遅れからくるあせりが確認されている」「これらの要因を排除する対策を行っていない」と自ら認めていることを指摘。しかも彼は「1日8時間を午前4時間と夜間4時間に分けて勤務…超過勤務で帰宅が深夜となった場合でも翌朝8時までに出勤することを求められる」と実に過酷な労働実態を指摘しています。交通事故は労働者の責任ではない、会社の側に問題があるとしています。
そして「期間雇用社員の雇用契約が反復更新されて期間の定めのない雇用契約と実質的に異ならない状態となった場合、又は、期間の定めのない雇用契約と実質的に同視できない場合でも、雇用継続に対する期待に合理性がある場合には、解雇権濫用法理が類推適用される」としたうえで、「公社時代から非常勤職員の職務内容や業務上の役割ないし重要度は変わっておらず、一方では正社員は公社時代の職員としての地位をそのまま継続しており、期間雇用社員についても、新たな雇い入れの形式を採る一方、賃金、臨時手当や休暇、勤続年数等の待遇は制度的に引き継いでいるのであるから、上記公社からの雇用関係引き継ぎの形式により、契約更新の期待が起こり得ずあるいは弱いものとみることはできない」「したがって雇用契約の更新について、合理的な期待を有するものというべきであるから、本件雇止めについては、解雇権濫用」としています。
「更新の可否について被控訴人が自由裁量を有するなどと解するべきではなく…雇止めをしても無効」「本件雇止めは、合理的理由を欠き、社会通念上相当とはいえないものであって、解雇権濫用法理の類推適用によりこれを無効とし、雇用関係の継続を認める」と結論しています。
まさに完全勝訴です! 当然の判決です。ましてや経営陣が作った「赤字」を理由にした雇い止めなんか絶対に認められないぞ!

全国労働組合交流センターブログより転載

36万人の福島の子どもたちの命と健康を守るため、全国の力でみんなの拠り所となる診療所を建設しよう

福島診療所建設委員会

36万人の福島の子どもたちの命と健康を守るため、
全国の力でみんなの拠り所となる診療所を建設しよう

 子どもたちを放射能から守るたたかいに心を寄せるみなさんに、福島の地に命の拠り所となる診療所を建設する運動へのご支援、ご協力を心から訴えます。
 福島第1原発事故は、広島型原爆168発分もの1万5000テラベクレルのセシウム137がまき散らされるなど、チェルノブイリ原発事故をはるかに越える深刻な事態となっています。
 警戒区域、計画的避難区域などから避難している12万人、自主避難の6万人が家や生活の糧を奪われ、県内の36万人の子どもたちが生活し、遊び、学んでいる地域の75%が、放射線管理区域(毎時0.6マイクロシーベルト)を越える放射能汚染地域となっています。すでに原発周辺から避難した子どもたちの尿からセシウム134、137が検出されるなど、子どもたちの放射線被ばく、とりわけ内部被ばくは重大な問題です。一刻も早く、すべての子どもたちを放射能汚染地域から避難させる必要があります。
 しかし、政府が避難の権利とその補償を拒む中で、子どもたちの被ばくを心配しながらも、経済上のことなどで福島での生活を続けざるをえないのも労働者の現実です。山下俊一福島医大副学長などの「年間100㍉シーベルトまでは安全」、「内部被ばくは心配ない」などという言葉を、だれも信じてはいません。
 だからこそ福島の母親たちは、文科省に押しかけ、経産省前に座り込み、子どもたちの命と未来を守るためにたたかっています。それは9月19日の明治公園の6万人の反原発の行動となり、全国、全世界へと広がっています。すべての原発をただちに止め、福島の子どもたちの命を守る行動をともに起こしていきましょう。

 今、福島で切実に求められているのは、心と健康の拠り所となる診療所建設です。
 福島の子どもたちは放射能汚染による被ばくに日々さらされ、心身ともに息苦しい状況を半年以上も強いられています。お母さんたちの心配も、除染で取り除かれるわけではありませんし、子どもたちをモルモットのように扱う医療機関などとても信頼することはできません。今このときに、「ひょっとしたら放射能の影響では?」と不安になったとき、すぐに相談できる診療所が身近にあればどれほど心強いことでしょう。
 チェルノブイリの子どもたちには、甲状腺肥大とホルモン異常、貧血、頭痛、心肺機能の低下、免疫低下、加齢化の加速的進行、そしてガンの発症など、放射能被ばくによる様々な疾病が報告されています。

 これまでの近代医学の概念を越えた幅広い総合的な取り組みが必要となります。
 予防医学の原則に立ち、人間本来の自然治癒力を促す代替医療をも視野に入れた総合医療と、防護を念頭においた食卓、暮らしの見直しなど、いわば「生活革命」をも提案できる開かれた場が不可欠でしょう。
 診療所建設は決して簡単なことではありませんが、全国のみなさんの力をひとつにできれば絶対に実現できます。

 実際に、広島、長崎の被爆者は、医療も生活も切り捨てられるなかで「人間をかえせ」の声をあげ、たたかうことで自らの命を守り、医療を取り戻してきました。
 広島市の高陽第一診療所がその一つです。1970年、広島で二十歳前後の青年が相次いで白血病を発症しました。彼らは被爆者の父母をもつ被爆二世でした。強い衝撃を受けた被爆二世の青年たちは、自らの力で拠り所となる医療施設をつくろう、と運動を開始し、1972年にプレハブ建ての高陽第一診療所が建設されます。
 この運動をともに支えた被団協の故小西ノブ子さんは、高陽第一診療所を「被爆者の心の窓」と語られています。同じく協力された大江健三郎さんは、「そこには、あきらかな、実践的なるものと、教育的なるものとの、『生命、生き抜くこと』をめざしての融合がみられた。」と、当時の新聞に著しています。それから40年、高陽第一診療所は多くの人々の生き抜くことの拠り所となってきました。
 まさに生き抜くために、このような診療所が今の福島には必要です。全国の医師、医療関係者をはじめ、全国の力を合わせて必ず実現しましょう。
 未来をつくる子どもたちが、被ばくを心配して生きなければならないことなど、絶対にあってはなりません。安心して集い、何でも相談できる診療所をつくることは、みんなの団結で命を守り、医療を取り戻すたたかいであり、すべての原発をただちに停止、廃炉にし、原発も核もない社会をつくる運動そのものです。

 福島の子どもたちの命と心の拠り所となる診療所建設のために、基金運動へのご協力はじめ、多大なご支援などをいただきますよう重ねて心から訴えます。

2011年12月1日

わたしたちが呼びかけます
●福島から
 清野 和彦(元福島県教職員組合委員長)
 佐藤 幸子(NPO法人理事長)
 椎名千恵子(未来を孕む女たちのとつきとおかのテント村行動)
 橋本 光一(国労郡山工場支部書記長)
 市川 潤子(ふくしま合同労組委員長)
 鈴木光一郎(酪農家、ネットワーク「ゆい」福島)
 佐々木信夫(桜の聖母短期大学名誉教授)
 渡辺  馨(福島県労働組合交流センター代表)
●全国の医師から
 吉田 良順(広島高陽第一診療所所長)
 杉井 吉彦(本町クリニック院長)
 松江 寛人(がん総合相談センター所長)
 吉本 哲郎(熊手町クリニック院長)
 末光 道正(八尾北医療センター院長、八尾市議会議員)
 布施 幸彦(館林厚生病院医師)

URL: http://www.clinic-fukushima.jp/

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リーベンスハイム八王子2-203 合同労働組合八王子
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